オリジナル紙袋製作の際に選択できる持ち手の種類を詳しく解説!〈その2〉今回は高級〜特殊なもの編

オリジナル紙袋で使える持ち手(ハンドル)には様々な種類があり、素材やコスト、また外観で印象が大きく変わります。低コストのものからベーシックなものは既に紹介しましたが、今回は少し高級な物、また少し特殊な持ち手の種類それぞれの解説と選択方法等の特徴を書いてみます。

紙袋は製作数量によって使える持ち手が変わる事は既に書きましたが、少し簡単におさらいしようと思います。ロットによる区分を大体以下の3つに分けました。

  • 小ロット(500枚〜1,000枚)
  • 中ロット(2,000枚〜5,000枚)
  • 大ロット(6,000枚〜)

その上で、各ロットで使える持ち手の種類が異なる話をしましたが、今回はその続きで、以下の持ち手の紹介をしたいと思います。

【高コストグループ】

比較的高コストとなりますが、紙袋に上品な感じや高級感を与えます。

パイレンロープ(エクセルフィラメント)

アクリルスピンドル紐というものがベーシックグループにありましたが、その素材を光沢のあるものにグレードアップしたもの。全てのロットで使用する事ができます。また、海外製紙袋でも選択可能。OFJタイプとフレキソタイプには使う事ができません。紐色は40色前後から選択可能で、ロットによってはお好みの色で染める事もできます。コストはアクリルスピンドル紐と比較すると少し高くなります。

光沢がある事でやはり高級感が増し、通常はコストも比例してアップする事が多い紙袋の持ち手において、例外的に海外生産の場合のパイレンロープはそれほどコストはあがりません。アクリルスピンドルと同じ価格の場合もあります。海外生産で大量に紙袋製作をお考えの方は是非心の片隅にパイレンロープを置いておいて下さい。

このパイレンロープは勿論普通に紙袋に取付けて使って頂いても構わないのですが、中にを入れてややハリのある、しっかりした物にする事も可能です。それによって掛かるコストは僅かですので、例えばやや重い物を入れる様な場合や、それによって手への負担が増す様な場合はパイレンロープを太くした上で芯を入れるようなケースもあります。また、せっかく光沢がある物ですので選択色をゴールドやシルバー等のメタリック調にする事もお薦めです。

上記の様な特徴から、やはりアパレルさん等のビジュアルにこだわる場合の紙袋に適していると思います。大型の衣料、冬物のアウター等には特に最適です。逆に、少しマジメなシチュエーションや講演会等のイベントには不向きと言えるかもしれません。

エクセルツイストコード

これは上記のパイレンロープの発展系で、同じエクセルフィラメントの仲間です。パイレンロープと比較して、ねじっている紐の太さが太く、紐というより、といった趣の外観です。となると当然太さはかなり太く、紙袋にしたときの外観のインパクトはかなりあります。用途としては同じくパイレンロープの延長線上にあり、さらに特徴を尖らせたロープと言えます。大手ハイブランドさんで使われているのも良く見かけます。

全てのロットで使用する事ができる紐で、海外製紙袋でも選択可能。OFJタイプとフレキソタイプには使う事ができません。紐色は40色前後から選択可能で、ロットによってはお好みの色で染める事もできる、というパイレンロープとほぼ同じ特徴を持ちます。

コストはやはり一番高いグループで、仕様する長さや色によって価格やロットが変わってしまいますので、ご希望の方は要ご相談、とさせていただいております。

【特殊グループ】

少し珍しい素材や取付け方の持ち手を紹介します。

紙バンドホック留め

太さ1mm程の紙製のロープを数本、平行につないで帯状に合わせた物で、合わせる本数によって太さが変わります。ラインナップとしては5本、7本、10本、12本、16本と5種程ありますが、紙袋に使える実用的な所では、多くても10本ぐらいまででしょう。この紙バンドを専用の工具で金属ホックを用い、紙袋に取付けるのが一般的です。強度はロープの強度、ホック取り付けの強度共にかなり強く、一度取付けてしまうと外すのは難しいでしょう。コストは前述のパイレンロープと同程度で、やや高めの印象です。

選択出来る紙バンド色は20数種類あり、合わせるロープの色を別の色にしてコンビネーションにしたり、ステッチラインと呼ばれる模様をロープに施す事もできます(要ロット)。金属ホックも同様に、シルバー、ゴールドを基本として好みの色を着けることもできます。

数ある持ち手の種類の中ではややマイナーな印象がありますが、上記の様に着色やコンビネーションも可能でカラフルな味付けが可能な事もあり、意外と幅広い用途に向きます。また、小ロットのオーダーメイドで製作する際は唯一持ち手が立った状態で仕上るので、貴重といえば貴重な存在。信頼性のある強度も特徴です。全てのロット帯で使用する事ができますが、海外製紙袋とOFJタイプ、フレキソタイプには使う事ができません。フォーマルかカジュアルかというと、どちらかというとカジュアル寄りの少しひねりの利いた珍しい持ち手、といった立ち位置かと思います。

手抜き穴

この持ち手は、持ち手を取付けるというタイプではなく、紙袋本体に小判型の穴を開けてそれを持ち手とするタイプです。構造的には紙袋の口部分を折り返し、折り返す内部に補強用のコートボール紙を挟み込んで強度を確保した上で、小判穴の抜き型で抜くという行程です。手に持つ際には紙の断面が指に触れるので、使い易さという点では他の持ち手に一歩譲るでしょう。また、製法状の問題からマチのサイズを余り大きく取れない事も不利なポイント。これは型抜きをする際、折り畳まれたマチが大きいと型抜きの型にかかってしまうのがその理由です。紙袋の幅サイズに対しておよそマイナス10cmぐらい
がマチの最大サイズになります。

先に不利な点を挙げてしまいましたが、逆に利点としましてはまず、コストが低い点です。以前ご紹介した、低コストグループぐらいの価格帯で製作が可能です。ただこれにも条件があり、最少ロットが3,000枚前後からになってしまう所が不利と言えば不利な点ですが・・・その独特なスタイルが気に入ればそれも利点になります。弊社でもこのタイプの持ち手の紙袋はセンスよく、スタイリッシュな感じで仕上っている物が多いです。

また、抜き型は小判穴型1種類と思われがちですが、実は微妙な形状の違いで7種程あります。オーソドックスな小判穴からやや小判穴が湾曲して手に馴染む形状になっているもの、または小判穴の抜きを上側の直線だけ残し、抜き型が残った状態で上に折り曲げて使う形状もあります。これは先程問題にした紙の断面が指に触れる問題を解決する物です。

持ち手の種類の中ではかなりマイナーな部類になりますが、うまくハマればおしゃれで、かつ低コストな他では滅多に見る事の出来ない紙袋が完成します。全てのロット帯で使用できるとはいかない持ち手ですが、国内製造に加え、海外製紙袋でも選択が可能です。また、ややレトロ昭和なイメージと相性が良いのは実はこの持ち手なんじゃないでしょうか?

上記で大体の持ち手は紹介出来たと思うのですが、まだ大量生産向けの持ち手やかなり特殊な持ち手等、紹介が出来ていないものも幾つかあります。次の機会にはそれらを含め、大量生産向けの紙袋の詳細も詳しく説明しようと思っています。

コメント

  1. […] 以上、今回は低コストからベーシックな持ち手の紹介でしたが、別の記事で特殊なものや少し高級な物等も紹介しようと思いますのでそちらもご覧下さい。 […]

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