バイオマスプラスチックの由来とカーボンニュートラルについて。プラスチック製買物袋との関係を解説。

バイオマスプラスチックの由来とカーボンニュートラルについて。プラスチック製買物袋との関係を解説。
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2020年施行の「プラスチック製買物袋有料化制度」。これは別の記事で詳しく解説していますが、主たる目的はプラスチックの使用量を抑制するもので、特に問題に挙げられる事の多い、レジ袋を始めとするプラスチック製買物袋が廃棄・燃焼の際に排出する二酸化炭素が地球温暖化を促進する事に対処するものとなっています。また、海にはプラスチックゴミがいつまでも滞留し、生態系への問題を引き起こしています。プラスチック製買物袋有料化制度の効果で持ち帰り用バッグが減り、プラスチックの使用量が実際減ったのかどうかは報告を待たねばなりませんが、この制度で有料化の対象から外れている素材、「バイオマスプラスチック」をここでは解説してみようと思います。

・そもそもバイオマスプラスチックとは

「バイオマスプラスチック」がどういった由来で、どういった性質を持つのかを書いてみたいと思います。

・バイオマスプラスチックは、バイオプラスチックのうちの一種

バイオプラスチック分類
バイオプラスチックの分類

少し話は戻りますが、元々バイオマスプラスチックは「バイオプラスチック」という更に大きなカテゴリに含まれる素材の一つです。バイオプラスチックの中には「バイオマスプラスチック」と「生分解性プラスチック」があり、またそのどちらの特性も併せ持つものの3種が存在します。一般的にレジ袋等のバッグに使われている材質は「生分解性の特性を持たない方のバイオマスプラスチック」という事になります。この生分解性の性質を持たないバイオマスプラスチックの中には、更に複数の種類が存在し、素材の特性によってバイオPE、バイオPP、バイオPET……と数種が存在します。このうち袋類に使われているのは、殆どが「バイオPE」です。

・バイオPE

バイオマスプラスチックの内の一種、バイオPEの主な原料としては「バイオエタノールや、植物由来のプラスチック」と言う事になります。世界においては、ブラジルのブラスケム社(Braskem)がバイオPEの生産の殆どを担っています。そういう訳で、日本に輸入されてくるバイオPE原料はこのブラスケムのものです。世界的にバイオPEの需要が高まるにつれてブラスケムでの生産量も徐々に増えていますが、2020年の半ばではこの供給が追いつかず、国内での供給が一時止まってしまった時期もありました。現在ではある程度ブラスケムからの供給量も安定し、需要も落ち着いたと思われます。

バイオPEの製造
バイオPEの製造

ブラスケム社におけるバイオPEの製造方法としては、「発酵法」という手法が用いられます。原料はサトウキビで、発酵させる事によってエタノールを生産し、その後脱水、重合等の過程を経てバイオPEが作り出されます。

・輸入

バイオPEの輸入
バイオPEの輸入


バイオPEの、ブラジルからの輸入の際の関税は撤廃され、2019年から無税で輸入が可能になっています。それにつれて輸入量も倍増しているようで、今後一層のバイオマスプラスチックの使用量が増えていくと思われます。

従来の一般的なプラスチックの由来は化石燃料であり、先々では枯渇してしまうと言われている地球の有限な資源ですが、対してバイオマスプラスチックは、トウモロコシやサトウキビから抽出される油を元に作られた原料ですので、化石燃料を使う事がなく、持続可能(サステナブル)なエネルギーということになります。また、こうした植物由来のプラスチックは二酸化炭素の発生に関しては「カーボンニュートラル」という概念で理論上排出を抑制している事になります。

・カーボンニュートラル


二酸化炭素の排出に関しては、このカーボンニュートラルの概念がよく取り沙汰されます。この理屈によると、ゴミが燃焼する際に大気には二酸化炭素が排出され、これが地球温暖化の原因(温室効果)の一つとなっています。従来の化石燃料由来のプラスチックを使っている場合、これはただゴミの燃焼の際に大気中に二酸化炭素を排出して終わりですが、植物由来のプラスチックを使う場合、これらはトウモロコシやサトウキビ由来ですので、植物の生育、栽培仮定で二酸化炭素を充分に吸収してきた素材、ということになり、ゴミとして焼却され、二酸化炭素を排出しても吸収してきた二酸化炭素の分で相殺できる、という理論です。これについては色々と議論がなされていますが、一応このカーボンニュートラルの考え方をベースに、地球温暖化を食い止める施策のうちのひとつとして、バイオマスプラスチックは優遇されているのです。

ちなみに最近ではこのバイオマス由来の素材はプラスチックだけでなく、ガソリンの代替エネルギーとなるような燃料(航空機等)への利用も始まっている様で、今後全てのプラスチック、燃料等がバイオマス素材に取って代わるようになると、あるいは温暖化を食い止める一つの大きな手段になるかもしれません。

・従来のプラスチックとの違い

このバイオマスプラスチックと、従来の石油資源のプラスチックを比較してみると、パッと見は違いが全く感じられません。手で触ってみても同じです。また、原料からレジ袋等の製品へ製造・加工する際も特に工程に違いがありません。両者は原料の由来が違うだけで、性質は全く同じものと言えます。ただ、レジ袋等のバッグに使用する際は、従来のプラスチックの場合と異なり、チューブ(袋にする前の、円筒形にした状態のもの)のラインナップがまだ充実しておらず、メーカーによって用意できる生地の厚み、長さ等のサイズ、使える色等が制限される場合があります。特に使える色に関しては、完全な透明が難しい場合があったり、使える顔料に制限がある場合があります。これはご希望の製品の仕様によって変わるので、事前にご相談が必要です。

また、バイオマスプラスチックと似た素材で、「再生プラスチック」というものもあります。再生プラスチックに関しては、別の記事で詳しく解説しているので、そちらをご覧ください。

プラスチック製買物袋有料化制度との関係

次に、プラスチック製買物袋有料化制度におけるバイオマスプラスチックの扱いについて描いてみたいと思います。

・バイオマスプラスチックを利用した製品

弊社で取り扱っているバッグ類の製品のうち、プラスチック製品の種類は多いのですが、なかでも大きな割合をしめるポリ袋(ビニール袋)レジ袋ショッパー等はつい2019年ぐらいまでは100%化石燃料を利用したものがほとんどでした。その状況の中、2020年7月に施行されたプラスチック製買物袋有料化制度では、今まで使っていた持ち帰り用バッグの大部分が有料化されることになり、各企業では対応に追われたと思います。その際、優遇されたバイオマスプラスチックを使った製品に関する問い合わせも急増し、一時はブラジルを主な輸入先とするバイオマスプラスチック全てが原料枯渇状態となり、バイオマスプラスチックを使った製品を作る事自体が出来なくなる状況も生まれてしまいました。2021年現在ではそれはやや落ち着きましたが、今でも引き続き問い合わせの多い素材です。

・バイオマスプラスチック混入25%以上で無料配布可能

プラスチック製買物袋有料化制度のうち、無料で配布しても良いもののうちの一つが、「バイオマスプラスチックを25%以上含むもの」とされています。これは企業において地球温暖化防止やSDGs推進に協力してくれるような所を優遇しようという動きです。このような動きをしている企業は、やはりブランディングにも影響しますので、特に大企業になるとそういった活動が推奨されているようです。また、優遇されて浮いた分のコストを社会慈善活動に充てる等、そういったアピールも必要になると思います。

・認可について

見た目が従来のプラスチックと変わらないバイオマスプラスチックですが、例えば実際にレジ袋を作り、それを無料で配布しようとする場合、正式に認可を受けたバイオマスプラスチックのマークを製品に記載する必要があります。弊社で製造する袋の場合も勿論正式な機関で認可を受け、認可ナンバーを取得しています。認可を発行する機関は国内では主に2つあり、一つは一般社団法人日本有機資源協会(略称JORAといい、クローバーのマーク)、もう一つは日本バイオマスプラスチック協会(略称JBPAといい、BPのマーク)です。このどちらかの機関の認可を貰うと、マークと認可ナンバーが発行され、製品にそれを記載する事で無料の配布が可能になります。

バイオマスプラスチックの由来とカーボンニュートラルについて。プラスチック製買物袋との関係を解説。
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・今後の課題

バイオPEの環境への影響
バイオPEの環境への影響

「プラスチック製買物袋有料化制度」が始まってから1年が経過しましたが、その結果がどれだけのものだったのかの報告が待たれる所です。実際の所、このバイオマスプラスチック自体にも問題はないということはなく、例えば製造過程での二酸化炭素の排出がどれだけあるのか、トータルで見て温暖化防止に役立っているのか、等様々な方面から指摘もあります。ユーザーとしては、正しい知識を持ち、例えばバイオマスプラスチックを使った袋が海に廃棄されても分解されず滞留してしまうという事実や、生分解性プラスチックであっても通常ゴミとして廃棄されてしまうと普通に焼却されてしまい、土に還る事はない、という事実等々、それらを正しく理解して行動する必要があると思います。

弊社ではバイオマスプラスチックを始め、再生プラスチックや生分解性プラスチックなど、環境に配慮した製品を多数取り扱っておりますので、是非お気軽にお問い合わせをお待ちいたしております。こちらのサイトから多数の環境配慮型の製品をご覧いただけます。お問い合わせは以下のリンクから。

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