地球環境に配慮した素材、「再生プラスチック原料」とは?バイオマスプラスチックとの違い等も解説

プラスチック原料使用量の抑制・削減

昨今、世界規模で進行中のSDGs(持続可能な開発目標)ですが、人間の行動指針として人々の生活にも浸透しつつあるようで、耳にする機会も増えてきているのではないでしょうか。以前別のエコバッグ関連の記事で解説を書いた事もあったと思います。

このうち海洋汚染を問題とする項目の中には、海洋マイクロプラスチックの削減も盛り込まれています。海洋プラスチック汚染を防ぐ方法のうちの一つには、プラスチック製品自体の減少という、これまた生活に密接に関係する行動指針が求められます。特に日本ではプラスチック製買物袋有料化制度が施行された事もあり、買物の度に意識する事もあるのではないでしょうか。

再生プラスチックとは

今回紹介する「再生プラスチック」は、プラスチック原料の使用量自体を削減する目的で考えられました(考えられたというにはやや語弊があるかもしれませんが……)。元々日本ではゴミとして排出される「廃プラスチック」が年間900万トンありました。この廃プラスチックのうち、15%程は海外へ輸出されていたのですが、主な輸出先の中国や東南アジアではこの廃プラスチックの受け入れを2017年頃から禁止し、日本国内の廃プラスチックの行き場がなくなってきています。この各国の動きは今後も続くと見られ、数年でインドやタイ、マレーシア、ベトナムも禁止に踏み切ると言われています。

また、廃プラスチックはバージン原料と違っていわば一度使って「汚れた」物になるので、この汚れた廃プラスチックの輸出入そのものを原則禁止するという条約も近年施行され(バーゼル条約)、ますます廃プラスチックの行き場がなくなってきています。

元々日本はこの廃プラスチックのリサイクル率は高いと言われていました。例えば欧州の平均であるリサイクル率30%を大きく上回る、84%という数字を叩き出してはいたのですが、実はこの数字は廃プラスチックを燃やした際に出る熱エネルギーを含んだ物であり、実質のリサイクル率は20%であることが問題になりました。この不名誉な数字を返上するには、この廃プラスチックの今後の利用方法をいかに効率よく改善するか、という事になるのも無理はありません。

3Rとは?

一方で、プラスチック容器包装リサイクル推進協議会という、容器包装に関する「3R」行動を推進する団体があります。この3Rというのは、

  • Reduce(リデュース)ごみを減らす=発生抑制
  • Reuse(リユース)何度も使う=再使用
  • Recycle(リサイクル)使えなくなったものは資源に戻す:再資源化

という言葉の3つの頭文字です。昨年施行された「プラスチック製買物袋有料化制度」は、このうち主に「リデュース」と「リユース」にあたる制度です。今まで消費者に無料で提供していた袋を有料化する事で袋の消費を抑制し、同時にある程度再利用できそうな袋はそれを促す様な方法を提示するのが具体的な手段、目的となります(袋自体に再利用を促す文言を入れる等)。

一方、今回紹介している再生プラスチックはこの「リサイクル」にあたります。廃棄されたプラスチックは従来は燃やしたり海外へ輸出したりしていましたが、これを元のプラスチック袋の原料(ペレット)の状態まで戻し、再びポリ袋の原料として利用するというものです。今までポリ袋を作製するのに使っていたペレットのうち、例えば25%をこのリサイクルしたペレットを使う事で、再資源化し、化石燃料の消費を抑制するのが目的です。

バイオマスプラスチックと再生プラスチックの違い

同種の素材にバイオマスプラスチックがあります。これの根本的な考え方は、バージン原料の消費を抑制するという意味では再生プラスチックと同種と言えます。バイオマスプラスチックは、その由来が植物資源(トウモロコシやサトウキビ)であるという事、対して再生プラスチックは廃プラスチック由来であるという相違です。

認可の違い

ただこの由来の差は社会的・経済的な意味においてはやや意味が異なってきます。バイオマスプラスチックの場合、前述の「プラスチック製買物袋有料化制度」において、ちょっと優遇されているのです。具体的には、バイオマスプラスチックを25%以上含む素材で作られた袋は、有料配布をせずともよく、無料で配る事ができる、というものです。きちんと環境を考えた製品であると国から認められている、ということがまず大きな違いです。対して再生プラスチックの場合ですが、今の所は特に国から認可を受けているわけではない独自規格という扱いで、再生プラスチック製品を買物用の袋として無料で配ることは原則できません(幾つか例外はあります)。

バイオマスプラスチックの方は上記の理由から、国に認められた素材を使っている証ということで、認定マーク、認定ナンバーを製品に記載します。少し横道にそれますが、印刷インキ自体にもバイオマスの混入が可能で、同様に国に認められたマーク、ナンバーを記載する事もできます。

対して再生プラスチック製品は、再生プラスチック製品であるという独自のマークを記載して使用していることをアピールできますが、特に国に認められているわけではありません。例えば製品にある種のエコ的なマークを付ける事で環境意識の高い企業である、ブランディングを図るのが目的の一つである場合は、製品のエコ的な観点では全く同じであるにも関わらず、若干の優劣はあるかもしれません。

再生プラスチックロゴ

細部仕様の違い

また、製品的な仕様の違いもないわけではなく、再生プラスチックはその素材の由来の特性上、生地表面の凹凸が出やすい傾向にあります。これがどのような影響を製品に及ぼすかというと、例えば面積の広いベタ印刷を行なった際、その凹凸が表面に現れやすくなりますので、デザインの観点からはベタ印刷はあまりお勧めできません。また、よく見なければわかりませんが表面の凹凸が肉眼でも見える事があります。また、透明の生地を使う場合はその透明度がバージン原料と比較して若干落ちるという事も報告されています。いずれも良く見なければわからないレベルには収まっています。

コストの違い

コストに関しては、通常のプラスチック素材と比較してバイオマスプラスチック素材はやや高くなる傾向があるのですが、再生プラスチックの場合、バイオマス素材程高くはなることはありません。とはいえ、通常のプラスチック素材と比較しては若干高くなるので、難しい所です。破棄されたプラスチック素材を元のペレットの状態へ戻す際にどうしてもコストが掛かってしまうのがその理由です。これに無料配布可否の経済的要素も絡んでくるので、コストが絡む選択を行なう際は比較検討が難しいケースもあるかと思います。

供給ルートの違い

また他の相違点としては、再生プラスチックの原料はその由来の特性上、供給が安定しないケースがあります。廃材の量が均一化、予測が難しい事もあり、例えばポリ袋をある一定量継続使用しているような企業においては気をつける必要があります。対してイベントでの使用等、ある程度短期間での使用が前提の袋には比較的導入しやすいと思われます。

まとめ

このように、バイオマスプラスチック、再生プラスチック双方の特徴と比較を書いてみました。昨今、「プラスチック製買物袋有料化制度」の影響で急激に需要が増加し、枯渇気味だったバイオマスプラスチックの原料ですが、その代替素材として十分に機能する再生プラスチックを是非選択肢の一つに入れていただけますと嬉しいです。既に弊社でも実際に再生プラスチックを使った製品のご注文もいただいており、弊社サイトでも再生プラスチックを使った実績を紹介しておりますので、是非あわせてご覧下さい。お問い合わせは以下のリンクからどうぞ!

コメント

タイトルとURLをコピーしました