持ち帰り用のバッグ
この所1年以上続くコロナ禍ですが、飲食・食品の持ち帰りの分野はかなり需要が増えているようで、ウーバーイーツや出前館等の配達サービスもあわせて好調のようです。外食が出来ないとなると、自炊か、もしくは店舗やスーパーの持ち帰りとなるのですが、その際に使う持ち帰り用バッグは絶対に必要になります。今回はその持ち帰り用バッグ(またはテイクアウト用バッグ)を解説してみようと思います。
自前のバッグと、店舗が用意するバッグ
個人で用意するマイバッグ、店舗が用意する持ち帰り用バッグと大きく二つに分かれると思いますが、まずは個人が用意する方では、近年マストアイテムになっているエコバッグがほとんどでしょう。一時は一つ1,000円程の、折り畳むことができて、コンパクト・ポータブルなエコバッグに加え、スーパー等で活躍するレジカゴバッグ等の大型の物も依然として人気のアイテムです。どちらかというとこれらのバッグは普段から計画的(?)に携帯し、毎日のルーチンの中で使われる物です。
一方、店舗が用意する持ち帰り用バッグでは、ルーチンに組み込まれず、突発的に需要が発生するタイプの使われ方となりますので、携帯用エコバッグで対応できないケースが多くなると思います。
突発的なケース、例えば買物中に目に留まったおいしそうな総菜やスイーツ等を持ち帰り・持ち運ぶケース。この場合は店舗が用意した、リユースを前提とせず、基本的に使い捨ての低コストな持ち帰り用バッグがメインとなるでしょう。ここで一番良く使われるバッグと言えば、やはり昔も今も変わらない通称「レジ袋」(ポリ袋)がメインとなると思います。最近ではSDGs一般化の影響や、レジ袋有料化制度等もあり、やや肩身の狭いレジ袋ですが、こういった突発的なケースに使うにはやはり便利です。プラスチック使用量の削減には貢献できませんが、きちんと処理して焼却すれば海洋プラスチックにはなりません。また、最近では石油由来ではなく、植物由来の「バイオマスプラスチック」の登場や、「廃プラスチック」を再利用した素材である「再生プラスチック」というものもあり、レジ袋を使っていても、そういった環境に配慮した素材が含まれていれば有料化制度の対象にならない、といった優遇措置もあります。
上記のようなプラスチック系のバッグ以外で、持ち帰り用に適したバッグは?という事になると、次点ではやはり「紙」素材(紙袋)という事になるでしょう。最近では、FSC等のきちんとした環境コントロール下(伐採量等)で生産された森林の木を原料とするような紙も増えてきています。また、オーダーメイドで紙袋を製作する場合は、ほぼ全ての素材を紙で作る事も可能ですので、そういう意味でもこちらも環境配慮型製品ということになるでしょう。
紙袋で気をつけなければならないのは、プラスチック製品と比較して加工の制約が若干あるということです。特に持ち帰り用バッグで問題になるケースとしては、例えばお弁当やケーキを持ち帰る際のバッグへの入れ方で、こうした食品は縦に置く訳にはいかず、横に(平に)入れることになると思います。オーダーメイド紙袋製作の際には、紙袋の横幅に対してマチ幅を大きく取る事が難しい場合があり、極端に言うと紙袋を上から見て正方形になる紙袋を作るのがやや難しくなります。また、大量生産向けに特化したフレキソ紙袋(輪転機を使う)では、ある程度の基本サイズが既に決まっており、そこから大幅にサイズを変更する事が難しいケースが増えます。低コストが特徴のフレキソ紙袋ですが、制限が少なくなく、お考えの場合は事前にご相談を頂けましたらと思います。
ポリ袋、紙袋、と紹介しましたが、飲食・食品の持ち帰り用のバッグとしてこれらが全体に占める割合はこの2種で90%を超えるかもしれません。以下ではその他の種類も挙げてみます。
不織布製のギフト用バッグ
ギフトの品物をマイエコバッグに入れて・・・といったケースも最近では増えているのでしょうか?この辺りは最近の世相がどう変わっているのか勉強不足ですが、ギフト用となると、通常はある程度の特別感を持った、見映え(インスタ?)のするギフトバッグが求められると思います。その中の一つ、弊社ではお酒やワインのボトル用のギフトバッグが結構人気です。主にボトル1本用のバッグで、素材の多くは上記でも紹介した紙と共に、レジ袋と同じくプラスチック製品とはなるのですが、「不織布」という素材を使った物も多くを占めます。この不織布という素材、最近ではバッグではなくマスクの素材としてクローズアップされる事が多いですが、プラスチックを使った布という事で、一昔前からノベルティ用バッグにも多く使われている素材です。特徴としては一見布のような感じと質感ですが、天然素材ではなく、レジ袋と同様にプラスチックを原料としています。ですので環境に配慮した製品、というにはやや憚られるのですが、レジ袋とは違い、この素材でバッグを作ると使い捨てとはならず、耐久性を活かしたリユース性の高い物になります。コストは現在では上記の紙製品と同等か少し高いぐらいです。加工の自由度はずば抜けていて、紙製品の様にサイズの制限がほとんどなく、自由な形状でバッグを作る事ができます。製作方法も従来の布と同様にミシンでの縫製も勿論可能ですし、最近では超音波を使った融着方法(超音波縫製)を使い、糸を使わずに布を張り合わせる事もでき、糸くずのない美しい仕上がりとなります。この不織布を使ったギフト用バッグでは、リユース性の高い、ギフトにも相性の良い、低コストなバッグが好評です。
不織布を使った持ち帰り用バッグの用途として、他には「保冷バッグ」が挙げられます。これはギフト用としても使われる事が多いですが、主に持ち帰りの際に保冷が必要な場合の購入時オプション、といった位置づけが主だと思われます。加工の自由な不織布とアルミ蒸着素材で保温性を高め、商品と一緒に保冷材を入れるといった使い方が一般的です。
その他の素材では、今の所あまりメジャーではありませんが「タイベック」と呼ばれる、見た目が紙とそっくりで、独特の風合いを持つ素材も使われます。このタイベックは一応不織布の仲間ではあるのですが、建材にも使われるような堅牢さと断熱性を持つ素材で、ややコストは高めになります。不織布と同様に加工のしやすさも特徴で、よりリユース性の高いバッグ、または保冷バッグをお考えの方にお薦めしたい素材です。
持ち帰り用のバッグでは上記の製品が占める割合がほとんどだと思われますが、その他として紹介したいのは、例えば餃子等の食品を持ち帰る際に使う、食品用の箱も持ち帰りにはセットで使われるアイテムです。こちらのページで紹介しているような箱は食品対応、特に油ものを入れても大丈夫な加工(ハービル加工)を施し、餃子等を入れた上で持ち帰り用のバッグに入れる、といった使われ方をしています。レジ袋とセットで使われるケースが多いでしょう。
一方では、こちらのページで紹介しているような、食品をそのまま手渡しで販売するようなクレープ販売に適した、包装紙と持ち帰り用バッグもよく使われます。クレープの持ち帰り?というと少し違和感を感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、コロナ禍以前から結構持ち帰りをされるお客様も多い様で、お問い合わせを良く頂きます。
取り扱い種類、業種別におすすめのバッグを紹介
店舗の形態や取り扱いしている商品によって、適したバッグの素材や形状も異なります。以下ではその幾つか代表的なものをピックアップしてみました。また、次のリンクからは弊社の飲食・食品用のバッグの製作実績もご覧いただけます。→リンク
和菓子・洋菓子販売用
お菓子類の持ち帰りは、全般的に紙袋が多いですが、ちょっとした軽めの持ち帰りには旧来の小さめのポリ袋(レジ袋)を併用している所も依然多いです。紙袋の素材としては主にクラフト紙が多く、ナチュラルな感じのものが好まれる印象です。また、ギフト用のバッグでも同様、ベースは紙素材が多く、次いで不織布も一部使われているものがあります。ケーキを入れる場合は先述の通りマチを大きく取る必要があり、この点に関しては紙袋の不得意な点でもありますが、特に致命的な欠点という程でもないので、少し大きめのサイズの紙袋であればケーキでも充分お使い頂けます。生ものの場合、保冷バッグもよく使われます。保冷材を入れて密封する必要があるので、バッグの口部分にはジッパー、もしくはボタンを配置します。なかには口部分を巾着で絞るタイプの保冷バッグも。
料亭・フランス料理店等の外食レストラン向け
外食レストランでの持ち帰り(おみやげ)用にもやはり紙袋が多い印象です。上記菓子の持ち帰りと同様、クラフト紙ベースが多くなります。企業用バッグではよく見られる、PPフィルム加工を施した、光沢感、またはマット感を強調した高級感のあるものは飲食では避けられるようです。仕様的にもシンプルな物が多く、簡潔で上品なものが好まれます。お弁当的なものまで対象にする場合は、やはりマチを広くとる必要がありますので、紙袋の場合は若干の制限が発生します。
ワイン・日本酒等、酒類のボトル用
ワイン、日本酒ボトル用となると、飲食店や菓子店とはやや異なり、紙袋ではPPフィルム(グロス、マット)加工を施した少し高級な感じな物等も加わり、多種多様なものが揃っています。一方で、未晒クラフトをそのまま使ったナチュラルな雰囲気の紙袋もあり、それらは例えばオーガニックワイン等のイメージにもマッチしそうです。
不織布製のギフトバッグの割合も多いです。不織布の場合、紙と比較して少しコストが高くなる事もあり、ギフト用としての使われ方が多くなります。その際、商品の特性上保冷機能を持たせたり、巾着と手提げの2way仕様にしたりと、こちらもバリエーション豊かです。不織布の生地は紙と比べてソフトで保護機能も備えるため、ボトル等の破損を防ぐ意味でも相性が良いでしょう。保冷素材であるアルミ蒸着シートは厚みもあるので、同様にボトルの保護にも貢献します。珍しい所では、主に日本酒の持ち帰り用になりますが、丈夫な帆布素材を使い、持ち手の紐を太く、取付けに金属のハトメを使った「甚吉袋」と呼ばれる特殊なものも。
一般食品の持ち帰り用(総菜・パン・肉・チーズ・パティスリー・餃子・クレープ等)
カバーする持ち帰り食品ジャンルが多岐にわたってしまうので、持ち帰り用バッグ種類も広範囲になってしまうのですが、一般食材の持ち帰り用ではお弁当や総菜、食パン等、横にできず幅のある商品が多いため、必然的にマチ幅の広いバッグが多くなります。先述の様にマチ幅を広くする事がやや苦手な紙袋ではありますが、同時に大量生産向けでコストを下げる事も得意な素材である事もあり、割合としては紙袋がやや多いです。調理済みの食品を扱う事も多い為に、先述の食品対応の箱+レジ袋という組み合わせや、やや特殊ですがクレープの持ち帰り等では包み紙、持ち帰り用ポリ手提げバッグ、内袋、等のように3種ワンセットで持ち帰りに対応しているケースもあります。
次のリンクから弊社の飲食・食品用バッグの製作実績をご覧いただけます。→リンク
最後に
飲食・食品用の持ち帰り用のバッグといっても上記の様にかなり種類が多く、迷われている方もいらっしゃるかもしれませんが、弊社では多くの持ち帰り用バッグの実績から最適な物をご提案できると思いますので、是非お気軽にご相談を頂けましたらと思います。