オリジナルエコバッグを作りたい!エコバッグの成り立ちから種類、目的の解説

エコバッグメインビジュアル
エコバッグのメインビジュアル

一口にエコバッグといっても、現在では「エコ」の意味や捉え方で色々あります。また用途でも細分化されていますので、例えばお客様がまずエコバッグを作りたい、と思った場合に、どのようなエコバッグをイメージされているかで方向性が色々と変わってきます。

以下にエコバッグの成り立ちと、エコの意味、分類等を記してみます。

エコバッグの歴史

いきなり世界の話から始まってしまいますが、2015年に国連総会が、SDGs(持続可能な開発目標)として、人間の行動指針を定めたのだとか。

幾つかの大きな目標と、それを具体的にするターゲットがさらに細かく、色々あるのですが、その中の「目標14」では海洋汚染を防止し、大幅に減少させる、という事が含まれています。

昨今プラ製品が海でゴミとなり、生態系を破壊している事が問題となり、プラ製品排除の動きが一段と活発になっています。また、別の行動指針では、二酸化炭素等の大気汚染にも言及し、人間や環境への配慮も大幅な改善が求められ、具体的には温暖化の進行を食い止める目標も定められました。

sdgs

こうした動きは企業活動や皆さんの生活にも大きく影響していまして、2020年7月から、「プラスチック製買物袋有料化」制度が始まりました。

お店で買物をして持ち帰る際に使う袋を有料にして、プラ製品使用量を減らそうという制度です。買物袋に数円のお金が掛かるので、皆さん自分で袋を用意してそれに入れて持って帰ろうというわけです。

我々尾崎紙工所で取り扱っているものの中には勿論レジ袋等を含むプラスチック製のものが多くあります。大きな影響があるものの一つに、レジ袋や、アパレル・雑貨屋さんで使うショッパーの消費量です。

ご相談頂く内容としましては幾つかあります。一つは今まで無料で配っていたものを有料に変更するか?または無料のまま継続するか?が多いです。これに関してはお客様各々で考え方も様々なので一概には言えませんが、先程の有料化制度の本来の目的からすると、有料にしていただくのが本筋かもしれません。

ただ、各々の考え方の違いから、競合相手が無料にしているにも関わらず自社では有料にしているというような場合も出てくると思います。

ここで消費者がどういう判断をするのか?これはこの制度が施行されてからある程度の期間を経なければ分からないでしょう。2020年9月現在では、例えばコンビニの購買者の約2/3がレジ袋を辞退しているという報告をつい先日ニュースで見ました。ここから、使用量を単純に2/3減らす事ができたと考える事も出来ますし、1/3は依然としてレジ袋を購入している事からすると、意外とポリ袋を有料で買ってもいい、という層は少なくないとも思えます。

先程の話でいうと、ここの店は無料でレジ袋をくれるから、あっちの有料の店じゃなく無料の店に行こう、という層もなくはない?制度の施行期間が長くなり、もっと色々なデータが出てくると分かってくるんだと思います。

エコバッグはここで出てきます。エコバッグ自体の歴史は結構昔らしく、古くはオイルショック辺りが起源のようで、プラスチック製品の消費をできるだけ少なくしようと言う動きから「マイバッグ運動」につながったと言われています。その後、地球温暖化の話等とともにジワジワ発展していったエコバッグは、現在では本来のプラ製品排除を目的とするものからノベルティグッズ、ファッションアイテムにまで発展しています。

エコバッグの種類

どれだけ海洋汚染や温暖化防止に寄与するのかはまた別の話になりますが、ここ最近、特に6月からはエコバッグのお問い合わせがジワジワと増えてきています。広義のエコバッグは大きく分けて、「エコ目的なもの」と「エコ素材なもの」の二つがあると思っています。

エコ目的なもの

文字通りエコを目的とするバッグで、買物の際には小さく折り畳んで持っていき、商品を入れて持って帰るバッグです。最近では目的も多様化しているようです。

スーパー等での大量の買物の際に使う「レジカゴバッグ」

レジカゴ内側にピッタリ装着したうえで、会計の際にレジの人にそこへ商品を入れてもらうとそのままバッグごと持ち上げて持って帰る事ができる、例のアレです。従来の様に購入商品詰め替える必要がなく、手間も省け、レジ袋も不要になる、効率的アイテムです。

レギュラーサイズのエコバッグ

これが一番身近なアイテムかも知れません。コンビニでちょっとお弁当と飲み物だけを買う、というような使い方に適したサイズで、レジカゴバッグ同様に小さく畳んで常時携帯出来るものです。これは様々なバリエーションがあり、知恵を絞りアイデアに溢れた活気のあるアイテムとなっています。最近では使用後一瞬で畳んで収納出来る物や、極端に薄くて丈夫な生地を使って畳むと凄く小さくなるもの、アパレルメーカーとのコラボで非常にデザイン性がよいもの等様々です。

エコ素材なもの

  1. 天然素材(帆布や麻、リネン等)で、プラを使っていないもの。
  2. バイオマス素材(動植物に由来する有機物)を含むもの。
  3. 加水分解等で自然界へと循環するプラスチックや、土壌で分解されるプラスチック
  4. ペットボトルや廃棄プラスチック・コットン・紙等をバッグの原料として再利用したもの
  5. ナイロン、ポリエステル等のプラ製品

もしかすると他にもあるかもしれませんが、ちょっと考えてみると色々出てきました。上記のうち一般的に世間で「エコバッグ」と呼ばれているものは、恐らく5が一番多いと思います。5に関してはプラ製品なのでエコという意味では矛盾と思われるかもしれませんが、繰り返し使える丈夫な素材なので廃棄されにくいもの、という理由です。

2と3に関しては主にレジ袋やショッパーに使われている素材なので、エコ的なバッグではあるのですが、世間の言う所のエコバッグとは少しズレると考えられます。

1は素材そのものがプラを使わない天然素材ですので、存在自体がエコなバッグと言えます。特に綿等を主に使った帆布素材は丈夫で繰り返し使え、天然素材にしてはコンパクトに折り畳むことができるのでエコバッグに適しています。形状もかなり自由にデザインする事ができ、一般的な手提げバッグやマルシェバッグ形状、レジ袋形状や巾着形状など様々です。

また、ファッションアイテムとしても優秀で、大手有名アパレルさん等ではブランドロゴを印刷して商品として販売しているものもよく見られます。

その他では最近少しずつ耳にする様になってきた、4の再生ペットボトル原料、再生コットン原料のものがエコバッグ向きでしょう。素材を再利用しているので新たに原材料を用意する量を減らす事ができ、環境負荷を軽減します。

原材料の種類により複数の素材がありますが、一つにはペットボトルを不織布として再生するものがあります。通常の不織布と比較するとややハリのある感触で、殆ど同じ様に加工や印刷が行なえます。同様に、ポリ袋製造の際の断裁ゴミ等で従来は廃棄されていたポリ袋の断片を集め、素材として再利用する物もあります(再生プラスチック)。こちらはどちらかというとショッパーやレジ袋への利用が多く、世間のエコバッグというイメージからは外れますが、環境を意識した製品と呼べる物です。

作りたいエコバッグは?

本来どのような目的でエコバッグの作製を思い立ったのかで検討するバッグの仕様は変わると思いますが、

  • 環境負荷を軽減したい
  • 買物袋有料化に対応したい
  • 企業イメージ
  • 商品として販売したい
  • ノベルティグッズとして

等を明確にして頂くと、よりご希望に沿ったご提案ができると思います。お気軽にご相談を頂けましたらと思います。

コメント

  1. […] 昨今、世界規模で進行中のSDGs(持続可能な開発目標)ですが、人間の行動指針として人々の生活にも浸透しつつあるようで、耳にする機会も増えてきているのではないでしょうか。以前別のエコバッグ関連の記事で解説を書いた事もあったと思います。 […]

  2. […] PPというのはポリプロピレンの略で、昨今SDGs提唱や海洋性プラスチック問題、レジ袋有料化等でクローズアップされる事の多い、プラスチックの種類の内の一つです。(これらに関しては別ページでも解説していますのでそちらもご覧ください。)プラスチックを分類していくと、ポリエチレンやポリエステル、ペットボトルやPVC等色々な種類のものがあるのですが、そのうち最も一般的に広く使われているものの一つにポリプロピレンがあります。上記の様な環境問題等で昨今ではネガティブなイメージがつきまといますが、プラスチックは扱いやすく、安価な素材である事が利点なので、大量に存在するプラ製品と上手につき合い、コントロールする事により問題の解決に繋がることが最良でしょう。 […]

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